今日は、元水泳日本代表かつ日本水泳連盟公認コーチである僕がこんな疑問にお答えします。
動画と画像を用いて説明していきますので、現在悩間れている方は是非参考にされてみてください。
本記事の動画解説はこちら↓
以下は文字ベースでじっくりと理解したい人向けです。
バタ足の基本動作
まずは、バタ足キックの基本動作から確認していきましょう。
バタ足キックは以下の3つの動きから、構成されています。
動作1:膝を曲げる
多くの人が勘違いしてしまうのが、「キックは膝を曲げないように、太ももの付け根からしなるに打つ」という風に思ってしまいがちですし、このように教える指導者も多いと思います。
しかし、膝を曲げなければ次の動作である「2:キックを打ち込む」ということができません。
では、どれくらい膝を曲げて良いのか?
これは正直、習熟度にもよるのですが、「ひとまずキックの動作をひとまず体に覚え込ませたい!」という場合には、「足首分くらい足を引くと良い」と僕は教えています。
画像をみていただければわかるように、足首分くらい引いただけでもかなり膝が曲がっていると思います↓
そのため、①まずは足首分くらい引く、②足首半分くらい引く、③足の親指くらい引く。といったようにこ自身の習熟度にあわせて足を引く分を加減していくと良いと考えています。
動作2:キックを打つ
膝を曲げたあとは、キックを打ちます。ここはそこまでハードルが高くないと思います。
ただし、キックを打った後に股関節→膝→足首とプールの底む向かって斜め下のラインができるくらいはしっかりと打ち込んで欲しいところです↓
キックを打ち込んでいるつもりでも膝と足首のラインが水平になってしまっていると、キックが打ち込めておらず、推進力があまり得られず、進まないキックとなってしまいます。
動作3:足を元の位置に戻す
キックを打ち込んだら足を元位置(水平のライン)に戻します。2のキックを打ち込んだ反動を使うと、元の位置に戻しやすいです。
バタ足が苦手な人に多く見られる傾向
キックの基本動作を抑えたところで、次はバタ足キックが苦手な人に多く見られる傾向を解説していきます。
足が元の位置に戻らない
バタ足キックが苦手な人は、上記の「動作3:足を元の位置に戻す」という動作が抜けてしまいがちです。
本来、足を元の位置に戻すときには、お尻が動作の起点となり足の付け根が上へ戻る→膝や足首もつられて上へ戻るのですが
バタ足キックが苦手な人はかかとが動作の起点となり、かかとを上げて(曲げて)元の位置に戻そうすることが非常に多いです。
これは、ウエイトトレーニングなどであるレッグカールに近い体の動かし方です。そのため、かかと優位な体の動かし方をしてしまうと、太ももの裏(ハムストリングス)や、ふくらはぎ(腓腹筋)がつってしまう。という悪循環に陥ってしまいます。
【ステップ別】バタ足の練習方法
バタ足キックの基本動作、そして陥ってしまいがちな傾向を把握したところで、「じゃあ、どうやってそれを改善していくか?」ですよね。
それをここから解説していきます。
ステップ1:壁キック
手て体を支えられるようにし、壁をつかんだまま練習をします。
壁が持てる分、落ち着いて練習できることがメリットです。
まずはこの練習で片足ずつ、「膝を曲げる→キックを打つ→足を元の位置に戻す」と頭の中で唱えながら練習してみましょう。
ここがしっかりできていないと、このあと必ずと言って良いほどつまずいてしまいます。
速度的には、1つ動作を確認できるくらいゆっくりでOKです。慣れてきたら徐々にスピードUPしていきます。
補足
徐々にスピードを上げていくと、「膝を曲げる→キックを打つ→足を元の位置に戻す」と唱える間もなく次のキックがスタートしてしまうと思います。
つまり、スピードが上がってきた時にはそこまで細かく意識できなくなる。ということです。
だからこそ、ゆっくりの時の練習の時に動作を1つずつ正確に、確認しながら行うことが非常に大切なのです。
ステップ2:ビート板なしのキック
ノーボードキックと呼んだりします。
壁キックでスピードUPさせたことが、壁なしでもできるかトライします。
ノーボードキックのメリットは
①:壁キックの体のポジションと近いため、再現がしやすいこと
②:ビート板がない分、体が沈みにくい(ビート板ありのキックは、上体が水面に出ている分、体が沈みやすい)
という点です。
ビート板ありのキックだと、体が沈む→焦る→動きが速くなる→足が元の位置に戻せなくなる。というパターンに陥りやすいので、僕は普段からノーボードキックを推奨しています。
息継ぎがしたくなった場合は、無理して息継ぎをしようとしないでOK。一度立って、しきり直して練習することをオススメしています。
補足
ノーボードキックだと、「一度立ってしきり直しているけど息が上がってしまいすぐに苦しくなってしまう」といった悩みも出てくることが多いです。
そんな時にオススメなのがシュノーケルです。顔をあげることなく息継ぎができるので、息継ぎにリソース(労力)を割かれることなくキックの練習に集中できます。
また、ノーボードキック以外の練習。具体的には、ドリル練習の時のも「息継ぎしないといけない問題」に直面しますので、シュノーケルは1つ持っておくと集中した練習ができるようになります。
※上記のような競泳用(水泳用)のものがいいです。たまに間違ってダイビング用のシュノーケルを買ってしまう人がいます。
ステップ3:ビート板キック
ボードキックと呼んだりします。
「正直これはやらなくてもいいかな。」と、思ったりします。なぜなら体が沈みやすいから。
初心者の方はステップ1,2を重点的に練習してもらい、チャレンジのステップとしてビート板キックをトライしてみるくらいの感覚が良いかと思います。
注意点はこれまでと同様、足を元の位置に戻す。ということです。
補足
ボードキックは胸(胸椎)の可動域がないと体が沈みやすいです。
「じゃあその胸椎の可動域ってどうだせばいいの?」というお声が聞こえてきそうなので胸椎の可動域をあげるためのエクササイズを紹介しているトレーナーの方の動画を置いておきます。
ご本人も水泳にチャレンジ中の方ですので、オススメです。
【まとめ】バタ足キックの練習方法
キックの基本動作
①:膝を曲げる ②:キックを打つ ③:足を元の位置に戻す
とくに③が重要。
ステップ毎練習方法
ステップ1:壁キック → 動作を確認しながら、ゆっくり行う。慣れてきたら徐々に速く。
ステップ2:ビート板なしキック → 壁なしでもステップ1で練習しことが再現できるように。
ステップ3:ビート板ありキック → ビート板ありでもステップ1で練習したことが再現できるように。
以上のような感じでした!
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それではまた次の記事でお会いしましょう!
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